paris55’s diary

人生折り返し女子 プチ介護と日々の楽しみ

昨日も、明日もあさっても「今日行く」

 

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徳山神社 銀杏ともみじ ピークにはちょと早かった

朝晩寒くなった。

寒がりの母はアルツハイマー型認知症で、要介護2.実家で独り暮らし中。

近所に住む兄夫婦と近郊に住む娘の私が黒子となって支援中。

 

10年前、母は週に1回ずつ、絵手紙と太極拳を習い始めた。

それがコロナのせいで、どちらの教室も3ヶ月以上閉鎖になった。このお休みは、母にとって大きかった。少しずつ、足が弱り始めた。

今は、無事に両教室とも再開。

絵手紙教室は、実家から数百メートル。太極拳教室は1キロ弱。

ただ、お友達もご高齢なので、病院等でお休みの時もある。

ちょうど1年前、一人で太極拳に出かけた母が

「途中で道がわからなくなって…」

と戻ってきた。

家族みんな、大ショック。週に1度と言え、ほぼ毎週、何年も通ってきたのに。

でも、一人で帰ってこれて、本当に本当に良かった。防災無線で、行方不明のお年寄りについて聞くと、明日は我が身?と胸が締め付けられていたから。

 

兄は、教室を辞めた方がいい、と言い出した。一人で行けなくなって、よそ様に迷惑をかけながら一緒に通ってもらって、どうするんだ、と言う。行方不明になったら、誰が責任を取るんだ、と。兄の心配する気持ちは、よくわかる。

絵手紙は、母の大切な楽しみ。だから、できる限り通ってほしい。通わせてあげたい。

この時から、私も一緒に絵手紙教室に通い始めることにした。

 

絵手紙教室のお姉様方は、母より少しお若い60〜70代。身だしなみも小ぎれいで、教室の雰囲気も明るい。母が認知症であることも、よくわかって下さる。その上で、母や私に何かと声をかけて下さる。

 

認知症患者の家族としては、本当に本当にありがたい。

母が楽しそうに笑顔でいるのが、とても嬉しい。

でも、その一方で、他人様に負担をかけたり、迷惑をかけてはいけない、という思いがいつも胸にある。いや、あった。

同じ話を何度もしたり、同じ質問を何度もする母。私は、後で「すみません」と謝って回った。でも、

「お互い様よ(◠‿◕)。お母さんとは仲間だから。」

「私も自分の親をみてたから、わかるから。」

と皆さん、優しく微笑んで下さる。多くの方が一人暮らし。色々な経験を経て、年を重ねて、こんな風に優しくなれるんだな。甘えさせてもらってもいいのかな。

 

認知症で、短期記憶はなくなっても、感情は残る。

楽しい気持ちは、そのまま「幸せ」につながる。

 

私が皆さんにお返しにできることは、

話し相手になること。代わりに、重たいモノを運ぶこと。雨の日、送迎すること。時間のあるときは、母と3人でドライブしたこともある。

母は、私が何かすると嬉しそう。

 

家族では埋められない部分を、お友達の方が満たして下さる。

母には支援が必要だけど、まだまだ社会的な存在。

いつも「自分の事は自分でどうにかしよう」とか「みんなに迷惑をかけたくない」とか言っている。出かけるときは、キレイにお化粧し、何を着て行こうか、一生懸命考えている。母は、頑張っているのだ。

診断されて10年、まだ要介護2なのは「キョウイク」のおかげなんだと思う。

 

絵手紙の先生がおっしゃっていた。

「年をとってもキョウイクは大事。勉強って事じゃなくて、今日はコレに行く、明日はアレに行く、と出かけることがとても大事なのよ。」

 

世の中には、認知症だと受け入れてもらえないサークルや教室もあるかもしれない。こんな風に、きょう行く場所がある母は、ラッキー。

 

このところ太極拳はサボり気味だが、今も絵手紙と太極拳、週3回のデイサービスに通っている。

 

最後まで読んで下さり、ありがとうございました。