paris55’s diary

人生折り返し女子 プチ介護と日々の楽しみ

人が人を想う、ということ

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美しい紅葉のコキア


Yちゃんに、お願いされた。

「あのね、ブッセを持って帰ってもらえないかな?」

あら!そんなこと、断るワケがない!

「喜んで、いただくよ!ありがとう!」

 

「実は、実家の父が、亡くなった母の仏壇に、毎日ブッセを供えていてね。

毎日一個ずつ。母が好きだったからって。

前の日に供えたのは、そのまま冷凍庫。

父は甘いモノは食べないから。

 

冷蔵庫がいっぱいになると、クール便でうちに送って来るの。

うちの冷凍庫もいっぱいになってしまって…。

もう何年も続いているから、うちの(独立した)子供達も誰も食べない。

冷凍してあるから大丈夫なんだけど、印刷上は賞味期限が思い切り切れてるから、他所様にはあげにくくて…。

私一人で頑張って食べてるけど、全然なくならない。

 

他のモノを供えたら?って言うけど。

父は、母が好きだったからって絶対変えないし。

父の気持ちを思うと、私には捨てられないし。

手に余ったら、捨ててくれていいから。

 

「頼めるかなぁ…?」

 

なるほど。そういうことね!

Yちゃんのお母様が亡くなって、確か7〜8年経つはず…。そうかぁ、毎日…。

何かが胸にこみ上げてくる。

任せといて!

とりあえず50個位受け取った。

 

今日は中学生と高校生が来るから、

事情を話して了解したら、貰ってもらおう!

 

「あのね…、カクカクシカジカ…」

みんな快く5、6個ずつもらってくれた。

後で保護者の方から、

お礼と一緒に「素敵なご夫婦ですネ」のコメントまで届いた。

ありがとうございます。私もそう思います。

 

Yちゃんに報告したら、返事が来た。

「ありがとうね。面倒かけて…。

母が急死してから、父はすっかり弱ってしまって。

オレは、K子のためだけに生きてきたって。

家事でも何でもできる父なのに、食べられない、眠れない、でボロボロになっていくのが、見ていて本当に辛かった。

 

今も、朝昼晩と仏壇に手を合わせてる。

写経とかしちゃって。

父は買い物に行くと、潰れたらいけないって、そっとカゴの上にブッセを置くの。

それを知っているから、とても捨てたりなんかできなくて…。」

 

私の知っているお父様は、大企業の支社長まで務められた、頼もしくて温厚な方。

かなり気落ちされているとは聞いていたけれど…。

 

返事を読みながら、久々に涙がこぼれた。

奥様を供養し続けるお父様、本当に素敵だと、思う。

人が人を想う気持ちに、ただ感動。

こんなに美しいものを知って、今日は本当にいい日になった。

 

生きていると、どうにもならないこと、理不尽なことは避けられない。

弱い私は、すぐに心が折れそうになってブーブー言ってしまう。

でも…、心の中では、明日はいいことがあるって信じて、一日を終えることにしている。

いや、無理してでもそうしている。

天気だって、雨の日も、風の日も、晴れの日もあるもんね。

誰かが私のの支えになって、私も誰かの支えになれているはずだから。

 

最後まで読んで下さり、ありがとうございました。