paris55’s diary

人生折り返し女子 プチ介護と日々の楽しみ

「お母さん、何言ってるの??」とまどいの日々

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10年前、急に母の性格が変わった。

 ほがらかで明るい、大好きな母が、低い声で

「最近、人の裏側が見えるようになった。」とか言い出した。

 

 はじめまして。お砂糖です。ブログにお越し下さり、ありがとうございます。

 10年前、大好きな母はアルツハイマー認知症と診断されました。母は今84歳、「要介護2」の状態です。30年前に父が亡くなってから、実家で独り暮らし。兄夫婦は、数軒隣に住んでいます。私は、車で30分ほどの場所に、夫と夫の母と3人で暮らしています。私の子供は、二人とも進学のため家を出ています。

 「自宅で暮らしたい」という母の希望を尊重し、義姉と力を合わせて母のサポート。義姉も私も、それぞれ微妙なお年頃の自営業者。「無理しすぎず、利用できることは利用して、できないことはあきらめて」のスタンスです。現状、病院の付き添い、薬の服用、食事の用意、母の習い事の送迎、その他家事のサポート中。

 

 母は、自分が認知症だとは思っていません。週3回はデイサービス。週2回のお習い事が、母の生きがい。色々な人に支えられ、まだまだ何とか一人暮らしできそう?

 ケアマネさんによると「発症して10年でも、要介護2でキープできているのは珍しい」とのこと。前向きで頑張り屋さんの母の性格から、だと思います。

 私の目を通して、この10年とこれからを綴ります。

 

 「私は、毎日、買い物には行けないから。」

と言って、母の冷蔵庫はパンパンになっていた。10年前のこと。私が行って、冷蔵庫を開けると、同じ野菜、食品が、上から、手前から押し込まれ、下の方はすっかり傷んでしまい…。

 私は、日頃、仕事や家事、子供達の部活や塾の送迎で大忙し!だから、のんびりするのが楽しみだった実家へのお泊り。でも、この頃から、お泊りは片付けや冷蔵庫の大掃除で終わるようになった。電話でもけんかが増えた、ように感じていた。

 

「おかしいな。どうしたんだろ。」

母は本当に少しずつ少しずつ、変化していたのだと思う。私は、情けないけれど、とまどうしかできなかった。

 

そしてある日、母が言った。声を潜めて

「ちょっと、聞いてほしいことがあるの。Yちゃん(義姉)があたしの洋服を盗んでるみたいなの。」

ものすごい衝撃。正直言ってめまいがした。Yちゃんは、血はつながっていないけれど、私にとって大好きなお姉ちゃん。何かの間違いでしょ!何、言ってんの??

 もうちょっと探してみたら?と促すと「だって、いくら探してもないだもん」と母。

「ないからって、なんでYちゃんが盗ったことになるの⁉」

 母の言い分では、自分の外出中に、合いかぎを持っているYちゃんが家に入って、洋服を持っていく。yちゃんが、自分の実家に行ったときに、こっそり着ているから見つからないって。

 筋は通っていて、もっともらしく聞こえるけれど、やっぱりあり得ない!

「絶対にそんなことはない!」

と全否定すればするほど、母は言い張る。ひたすら、ただひたすら自分の言い分を繰り返す。まさにループ。情けなくて、悲しくて、腹が立って、混乱する私。

 

 悩んで、悩んで、意を決してYちゃんに話した。

「あー…。最近お母さん、へんだなあって思ってたのよ…。もしかしたら…かもしれないね…。友だちから、そういう話、聞いたことがあるから…」

 Yちゃんは、私を気遣っていた。嫁は、娘より少し客観的になれるから、大丈夫だよって、笑顔までつけてくれた。私は本当に申し訳なくて。Yちゃんは神様みたいな人。

 

 それからちょっとして、盗られたと大騒ぎした洋服が、見つかった。大量の洋服の下にうもれていたのだ。その時の母の落ち込みようは、どうにかなってしまうのでは…とこちらが心配するくらい。Yちゃんに「本当に申し訳ない」と涙ぐんで謝る母の姿は、小さくて痛々しかった。

 

 こうして、いよいよ「専門家に相談しなくては!」と家族で相談し始めた。

続きは次回に。

最後まで読んで下さり、ありがとうございました。